蘇州遊紀

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GW、両親と一緒に中国は蘇州へ行って参りました。

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父親がずーっと行きたがってた憧れの場所。

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近代化していく上海に嘆きつつ、蘇州は良いところだと芥川龍之介。

谷崎潤一郎は蘇州はなんて静かで幻想的なところなんだと。

自分も蘇州に対するイメージはとてものどかな場所なんだと、そんなイメージでした。

が、行ってビックリ!

まず、上海からほとんど途切れなく続く住宅ビル群!

そして数々の建設ラッシュ!

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そして、高速降りてからの交通状況と言ったら・・・

クラクションの嵐!パーパッパー!少しでも前がつかえたらパーパッパー!

ウィンカーの存在を知らないのか、隣の車線にいきなり移ろうとして、後ろから車とぶつかりそうになり、またパーパッパー!どっちかっていうとあなたの割り込みの方が・・

基本的に2車線に3台から4台の車。よくぶつからないもんだ。

そして、何よりびっくり、車が最優先ってとこ。遅いオートバイは後ろからパーパッパー。

あおるあおる。

小さいお子さん連れた家族が道を渡ろうとしてたら、パーパッパー!

えー、止まってあげないんだ!?

そこのけそこのけ車が通る。

その日は移動で疲れたから、ホテルでゆっくり。中華をいただく。

上海だけど、北京ダック。

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翌日

時間がもったいないからと、朝8時には最初の目的地に行こうと準備をしてたら、これまたビックリ!

もうそこは人だかり!

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中国の人は・・なのか、蘇州に遊びに来てる人なのか・・はわからないけど、皆んな朝がむちゃくちゃ早い!

基本的にどこの観光地も7時、もしくは7時半にオープンして、もちろん、その周りの屋台などのお店は元気いっぱいにその時間から営業開始。

そしてですね・・これまた圧倒されっぱなしだったんですが、どこに行っても旗持った添乗員さんが20~30人くらいのグループを引き連れていたんです。なので、本来、ゆっくりまわるように出来ている世界遺産の庭園(例えば拙政園)なんかでも、ディズニーのアトラクションばりに、20cm進んでは止まり、20cm進んでは止まりの連続。

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どうやら、「労働の日」という勤労感謝の日みたいな祝日が重なった週末だったみたいで、上海の人たちがこぞって蘇州へ旅行に来てたんですって。

ただ、この連休ってのをのぞいたとしても、今や、どこの観光地に行ってもこういう状況みたいよ。

終始、この”マンパワー”に圧倒されっぱなしでした。

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「観光」として心に残ってるのは、蘇州は水郷の街ってことで、行ったら必ずやってみたいと思ってた、手漕ぎの船に乗るということ。

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平江路っていう昔の原宿・竹下通り(山田邦子の店とかあったあの時代)を感じさせられる賑わいの通りに面した川でこちらを体験。

船頭さんが伝統的な歌を歌ってくれたり、「お前もやってみるかい?」なんつって、体験までさせてくれたり。

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でも、あまりにも下手くそすぎて、愛想よかった船頭さんを苦笑いさせてしまった。

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30分くらいの乗船時間ではあったけど、心底満喫。

船の上からの目線で眺める街並みもまた格別に風情があって良かった。

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もう一つは、芥川も谷崎も愛した「虎丘(こきゅう)」

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今から2500年も前の話。呉の国王がここに葬られ、その3日後に、白い虎が現れたっていう伝説から虎の丘で、虎丘。英語ではまさに、The Tiger Hill!

この丘のてっぺんには塔が建っていて、こちらは961年(日本でいうと、平安中期の時代)に建立されたそう。
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以来、蘇州のシンボル。ちょっとね、地盤沈下のせいで傾いてるんです。

それもあって、「東洋の斜塔」と呼ばれてる。てか、そもそも蘇州自体が「東洋のヴェニス」(谷崎が命名)なんて呼ばれてますからね。

この丘の上で、さわやかな風を感じながらゆっくり両親と会話を楽しむ。

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気づいたら2時間くらいそこにいて、そろそろ閉園の時間。

そしたら、さっきまでの人人人の山がすっかりなくなり、さらに夕暮れ時ってのも重なって、とっても幻想的な雰囲気に。

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きっと芥川や谷崎はこんな蘇州を見ていたんだろうなって。

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帰り際に立ち寄った中国庭園がこれまた素晴らしかった。

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他にも、南北朝の時代からあるという寒山寺(あの名曲『蘇州夜曲』にも登場するお寺)や、

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 平江路と並ぶ水辺の街、山塘街(さんとうがい)も楽しみました。
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短い旅行ではあったけど、振り返る度にあのマンパワーと幻想的な風景とが頭の中で入り乱れ、それはそれは複雑なまでに心に残るものとなりました。

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