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今回のポートランド滞在、なんともなタイミングでした。
アメリカ大統領選挙直後。
しかも、トランプ氏が選挙に勝利した直後・・
全米でも最もリベラルな街の一つとして知られるポートランド。
やはり、というか、ブッシュ氏の時代もそうでしたが、”プロテスト”が起きました。
”プロテスト”・・あまり聞きなれない言葉ですが、今回のケースを日本語に訳すならば、「反トランプデモ」でしょうか。
選挙直後から2日くらいはプレートを掲げ、「No More Tramp」とデモに参加する人たちが声を挙げて行進するくらいだったのが、3日目くらいから過熱し始めたそうです。
それが、ちょうど僕が日本を発つ前の日。
デモに参加してた一部の人たちが暴徒化し、駐車してあって車を破壊したり、お店の窓を割ったり、道路が何本も封鎖され、街の交通は大混乱。
これは滞在中一体どうなってしまうんだろうか・・ちょっとだけ不安を抱えながらポートランドへ。
着いたその日(11月11日(金)の朝9時)、街は何事もなかったように穏やかにいつもの朝を迎えてました。
どうやらデモは毎日、夕方5時頃から始まるとのこと。
あまりにも何事も無かったかのような落ち着きっぷりなので、買い物したお店のお姉さんに昨日の様子を聞いてみました。
すると、 そのデモに関して答えるのではなく、少し顔が曇りながらこう答えました。
「悲しい。本当に悲しい。選挙当日、とにかく泣いたわ。なんで彼が大統領に選ばれてしまったの?本当に信じられない。。あんな性差別的なことを平気で言う人が勝利するなんて・・・私も必ずちゃんと声を挙げるつもりよ、黙ってなんかいられない。今こそしっかり声を挙げて、自分たちの信念を伝えるべきよ。」
デモなどに参加してるわけではないけれど、トランプ氏が大統領に選ばれたことに対しての嫌悪感を露わにしてました。
この日の夜、ブレイザーズの試合を観戦したのち、夜中の10時ころですかね、ダウンタウンを歩いていたら、そこら中から大きな声が。
そしてパトカーのサイレンが鳴り響き、空にはヘリがバリバリと・・
どうやらこの日、デモに参加していた人と車に乗ってた人とでいざこざがあり、車に乗ってた人が発砲して数人怪我を負ったみたいなんです。
デモに参加してる人たちにも、平和に行進したい人と、過激に行きたい人、はたまた、ただただ騒ぎたい人と、様々。
どうやらそんな仲間内の騒ぎだったみたいですが・・・発砲・・・そこのすぐ側にいたと思うとゾッとします。
そして、この日は金曜日の夜。
政治とは一切関係なく、ただ金曜の夜を楽しむパリピたちも各クラブで大騒ぎしてて、もう街は喧騒の渦。
数十年、ポートランドという街を見てきてますが、こんなに騒がしい夜は初めてでした。
トランプ氏は、もうこれ以上の不法移民を許さないためにもアメリカとメキシコの国境に壁を作ると公言しております。
僕の大親友はメキシコ人。
彼自身は10歳の頃、オレゴンにやってきて、それからずっとオレゴン育ち。
彼自身市民権も得ていて、彼の子供たちはアメリカ生まれのアメリカ人。
そんな彼に今回の選挙について聞いてみると、
「・・・子供たちが大変な時代を生きなきゃいけなくなった」、と。
性差別的な発言のみならず、人種差別的な発言を繰り返すトランプ氏が勝利したことで、少なからずそういう感情を持っていた人たちがこれからははっきりと態度に出すようになるだろう、と。
既に子供達が通う学校でも、「国に帰れ」などの暴言が飛び出したりしているとのこと。。
Travel Portlandで働く知人に話しを聞くと、
「私たちの仕事もどうなってしまうことやら・・アメリカに来たいって思う人がこれからは少なくなってしまうんじゃないかしら・・・」
と、不安を隠せない様子でした。
「オレゴン州も広くて、やっぱり内陸の方に行くと差別的な感情がいまだに残っています・・今回の選挙で一番怖いのは、少なからずそういう感情を持っていて、トランプが言ってることをこんなにも多くの人が支持してたってことですよね。。」
僕も留学時代、経験があります。
オレゴンの内陸を旅した際、あんなにも嫌悪感をむき出しにした視線を向けられたのは今でも忘れられません。
「背筋が凍る思い」というのはあのことなんだな、と。
その経験がきっかけで大学の専攻をビジネスから”Ethnic Studies(人種問題)”に変更しました。
『Love It, Portland』ツアーに参加される方に、いつも必ず伝えるのが、
「オレゴンは素晴らしい土地であり、ポートランドはむちゃくちゃ素敵な街です。でも、決して理想郷ではないです」、と。
やはりアメリカであり、アメリカの負の部分もあるんです。
大学時代は自分なりにとことん勉強しました。
歴史を知れば知るほど嫌なことがたくさんあり、生活する中でも嫌な経験もたくさんして、本当に嫌いになりそうなことも多々ありました。
それら全部踏まえた上で・・・僕はオレゴンという土地とポートランドという街が大好きだと主張しております。
トランプ氏が大統領になり、本当にこれからアメリカという国が、日本との関係が、そして世界がどうなるのか、全く想像もつきません。
それでもオレゴンの”大自然”はいつだってそこにあって、そして、ポートランドに住む大半の人たちは、いつだって”遊び心”を忘れないだろうなって。
周りがそっちに行くなら、自分たちはこっちに行くよ。
“Keep Oregon Weird, Keep Portland Weird”
僕はこれからもずっとこの街に通い続けるし、彼らからたくさんのことを学ばせてもらいます、今まで以上に。
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