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先週火曜、水曜と急遽お休みいただき申し訳ございません。
実は、先週末、父親が亡くなり、最後のお別れをしてきました。
父は、9月30日の日曜日の夜、晩御飯を食べようとしていたところ、「今日は気圧が変だな、暑いな」と言って、そこから意識が朦朧としてしまい、病院に運ばれました。
心臓発作でした。
糖尿病を患っていたため、痛みを感じにくくなっていたみたいで、本来ならもっと早くに病院に運ばれてもおかしくない状態だったようです。
そこからの緊急手術などで、なんとか一命は取り留めたんですが、10月2日の火曜日に容態は急変し、一度心臓が止まってしまったりして、その時は、最後の覚悟をしました。
その連絡をもらったのが番組始まる直前、「なんとか最後に一目会いたい」、そんな想いと共に番組終了後駆け付けました。
到着してみると、相変わらず容態は良くなかったんですが、なんとか一夜を過ごしました。
すると、翌日、意識も戻り、少しずつではあるけれど、回復の見込みがありそうだということで、人工透析やペースメーカーを入れる手術をしてもらいました。
その後、ペースメーカーを取っても自分の心臓を動かしていたりと、もしかすると、このまま良くなるのではというくらい血圧の数値なども安定していました。
10月6日の土曜日の午後には、人工呼吸器も取ることができて、意識は朦朧とする中ですが、言葉も発することが出来たそうです。
が、容態が急変したのがその日の夜でした、やはり父の心臓は相当な負担がかかっていたみたいで、そのまま帰らぬ人となりました。
しかし、一度お別れの覚悟を決めた火曜日から、土曜日までの4日間、希望が生まれたり、少ない面会時間を共に過ごせたり、また僕自身は名古屋から豊川までの往復2時間の道中、頭の中ではありますが、父とたくさん会話をした気がします。
「小学校6年生の時、二人で車で飛騨高山まで行って、車中泊して、帰りに人生初めての吉野家の牛丼食べさせてくれたね」
「映画館に連れてってくれたのもお父さんが初めてだったね、あれ確か、『ゴーストバスターズ2』だったよね」
「洋楽が好きだったお父さんの影響で、自然と音楽を聴くようになったし、それが今の仕事につながっているのかもね」
「この前のアメリカ旅行でサンフランシスコの夜の街を二人で歩いて、お父さん、お母さんの40年前の新婚旅行のこととか話してくれたね」
父との会話はつきませんでした。
これは僕だけじゃなく、きっと母も、弟や妹達もそうだったと思います。
父が亡くなるちょうど2週間前に僕の家族と両親とで京都に旅行に行きました。
いつもお世話になってる割烹のお店で食事をしている時、コース料理の2品目くらいの、何気ない瞬間に父は突然言いました。
「幸せだなあ」
それは誰に言うわけでもなく、自分と対話するように、本当に自然と出た言葉でした。
この言葉を言った時の父の優しい笑顔、優しい声、今でも忘れられません。
父は間違いなく幸せな人生を送ったと思います。
最後も本当にたくさんの方々にお越しいただき、そして、父も大好きだったたくさんのお花に囲まれていました。
父の人生が本当に幸せなものになったのは、父が心から愛する女性、母に出会ってからだと思います。
ここ数年は海外を含め、一緒に旅行をする機会が多かったんですが、どこに行くにもいつも二人一緒でした。
写真を撮るよと言うと、ピタッと体を寄り添わせて、息子の僕から見ていても、「仲が良いな」「理想の夫婦像だな」って思ってました。
そして、自分が二人の子を持つ親の身となり、初めてわかったことですが、「何が一番幸せですか?」と問われれば、「子供達が笑顔でいることです」と答えます。
父と母から生まれてきた僕たち子供達(兄弟4人)、今、全員幸せです。
それぞれ素敵な伴侶に恵まれて、可愛い子供達に囲まれ、大切な家族を築いています。
父にとってもそれが何より幸せなことだと思います。
父は言葉多くを語る人ではなく、少ない言葉の中に真意を込めるのがとても上手な人でした。
僕がオレゴン州ポートランドで結婚式を挙げた時、最後に父にスピーチをお願いしました。
現地の友達も何人も来てくれていたので、てっきり日本語で話したものを僕が英語に訳すものだと思っていたら、いきなり英語で話し始めたんです。
「Beautiful Day」
「Beautiful Place」
「Beautiful People」
「今日は拓一郎と聖子さんのために、ありがとうございました」
職業柄、たくさんのスピーチを聞いて来ましたが、父があの日くれたスピーチ以上のものに出会ったことは一度もありません。
父との最後のお別れの日、喪主として、僕も最後、同じ言葉を送らせてもらいました。
「Beautiful Day」
「Beautiful Place」
「Beautiful People」
「本日は、父、小林吉光のために、ありがとうございました」
お父さん、
お父さん、
お父さん、本当にありがとう。
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