フィールド・オブ・ドリームス 〜夢のストリートバスケットコート実現に向けて その2〜

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やると決めたら行動するまでは早いたちで、四十九日の翌週の週末には作業開始。

そもそも自分自身が久しくこの畑に足を運んでなかったから、現状どうなってるかが全くわからない。

とりあえず、作業に必要な汚れても良さそうな作業履や軍手などを買いにワークマンへ。

関係ないけど、最近のワークマンの服ってオシャレね。

ダナーみたいな靴を購入。

現場に到着すると、あら、雑草もなく、結構綺麗に整地されてるじゃない!

「お父さんが亡くなる間際まで頑張ってくれてたのよ。」

到着早々涙ぐむ母親。

あかんあかん、もらってしまって作業にならんから、話題を変えよう。

「てか、ここむちゃくちゃ広いんだけど、どれくらいあんの?」

「2000平米、坪数でいうと、600坪」

2000平米、600坪!!???

どえらい広いじゃん!!!

バスケットコートを作ろうと思ったら4面は作ることができちゃうそうな。

いやはや、改めて、これだけの土地、一度手放したら自分の手ではどうしたって手に入らなかったです。

そして、よくこんなにも広い土地一面に葡萄を栽培して、おじいちゃん、おばあちゃん、そして母親(祖父母が亡くなってからは母親一人)でやってたなって。

感謝です、ありがとう。

作業開始、しようにも何から始めたら良いものか。

まずは、葡萄畑の名残を撤去していくことからですね。

ここで葡萄畑についての豆知識をば。

葡萄畑には「棚(たな)」と呼ばれるものがあって、そこに木の枝をつたわせて上から葡萄が下に垂れるように栽培します。

この「棚」を作るのに必要となってくるものが、ワイヤー。

では、どうやって何もない空中にワイヤーを張るかというと、畑の周りに石杭を打ち込むんです。

何本も何本も。

うちの畑の広さだと、だいたい200本くらい。

この石杭にワイヤー張って、自分たちの上に「棚」を作っていくわけです。

そして、「棚」の高さに決まったルールは無いんですが、大抵は生産者の身長に合わせてあります。

うちのおばあちゃんは身長140cmくらいだったので、「棚」がえらく低く設置されておりました。

バイトと称してお手伝いした時なんかは、腰をぐっとかがめて背中丸めて、かつ、上をずっと向いた状態で作業を続けていたから首が凝り固まる。

偉そうなこと言えるほどやってないけれども、それはそれは重労働でした。

ここでもう一つ、我が家は「種無し巨峰」を栽培していたんですが、何故、種も無いのに巨峰ができるの?って豆知識をば。

巨峰(葡萄)はまずこぶし大くらいの大きさになった頃に、一度「つぶ抜き」という作業をします。

放っておくとボカンと大きく育ち過ぎてしまうので、葡萄の形を整えるのに必要な作業です。

で、これを終えると、今度は、”ジベレリン”という成長剤をつけてまわります。

通称、”ジベ”って名前の作業、これが大変。

紙コップにこの”ジベレリン”を入れて一房、一房つけてまわるんですが、通常、”ジベ”は一回で終わります。

が、「種無し巨峰」にしようと思うと、この”ジベ”を2回〜3回繰り返さなければいけないんです。

2000平米、600坪の広大な土地にたわわとなる巨峰、腰も背中も首も痛くなりながら、”ジベ”を一房一房丁寧にしてまわる。

こうすることで、本来、巨峰が種を作る時期を吹っ飛ばして成長し、「種無し巨峰」が出来上がるということです。

というか、”ジベ”が終わっても、この後、鳥たちから巨峰を守るための袋がけがあったり、とにかく人の手がとことんかけられてるわけです。

大分、話が本題から逸れてしまいましたが、「種無し巨峰」に手をかけ、心を込めてきた母親たちのように、これから出来上がるストリートバスケットコートも丁寧に作り上げて行きたいと、久々に訪れた畑を見て思ったわけです。

では、何から一体始めるか?

200本ほどある石杭は本当にどうやって抜いたら良いのか、何から手をつけて良いのやらさっぱりわからなかったので、とりあえず、畑の周りを囲む風除け用の木を刈るところからスタート。

妹の旦那さん(力持ち)にも協力してもらい、チェーンソーで、キュインキュイン、ガガガガガガ!

僕も挑戦!

バッサバッサと切り倒していきました。

でも、慣れてないから腰が引ける。

途中、妹家族、そして、このプロジェクトに最初から共感してくれている中学校の時の元バスケ部仲間の家族も参加してくれて、作業も順調に進んでいきました。

半分以上切り倒した頃、日も沈み始めたので、初日の作業はここまで。

来た時よりも見晴らしが良くなった畑を見た母親が一言、

「この辺、風が強いから、やっぱり風除けはあった方が良かったかしら??」

今言うーーーー!!??

・・と、無計画なわけではないんだけれど、誰もが初めてのことに挑戦しようとしてるから、こんな手探り状態で全ては始まりました。

 

 

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